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連載 眼の組織・病理アトラス・130
前房隅角の発達
著者: 田原昭彦1 猪俣孟2
所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室 2九州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1420 - P.1421
文献購入ページに移動前房隅角組織の発達は3つの要素からなる。つまり,隅角の開大,線維柱帯trabecular meshworkの発達(組織化),シュレム管Schlemm's canalの発達である。前房隅角の開大は,その機序は不明であるが,隅角底angle recess(隅角の周辺端)が外後方に偏位していくことで進行する。シュレム管との相対的な位置関係において,隅角底は胎生6か月でシュレム管の内前方に位置する(図2A)が,胎生8か月ではシュレム管の中央部に位置するようになる(図3A)。出生時には,隅角底はシュレム管のほぼ外後方端に位置する(図4A)。隅角の発達は4歳頃までに完了し,隅角底はシュレム管のやや外後方に位置する(図1)。隅角底の完成に伴って,隅角底と毛様体筋とが接近する。胎生8か月頃に隅角底の後方に存在していた毛様体筋(図3A)は,出生時には隅角底の近くに位置して,隅角底を幅広く占めるようになる。
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