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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻8号

1997年08月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

外傷を契機として先天性網膜動静脈吻合症に漿液性網膜剥離を生じた1例

著者: 田邊麻由子1 高橋寛二1 戸部隆雄1 木本高志1 松原孝1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1427 - P.1432

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 先天性網膜動静脈吻合症(Archer分類1群)で頭部打撲による衝撃が誘因となって動静脈吻合部の血管から血管外漏出をきたし,黄斑部の漿液性網膜剥離を生じた症例を経験した。症例は19歳の女性で,頭部の打撲後4日目に右眼中心暗点発生。右眼眼底には乳頭中央部から蛇行した網膜動脈が黄斑部へ向かい,細動脈を介して網膜静脈と吻合していた。黄斑部には3乳頭径大の漿液性網膜剥離を伴っていた。螢光眼底造影により,動静脈吻合が証明され,吻合部の静脈壁から旺盛な螢光の血管外漏出がみられた。1週間後には自然治癒した。本例では螢光造影の走査型レーザー検眼鏡によって観察し血流動態と本病変の発症機序が詳しく理解された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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