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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻8号

1997年08月発行

文献概要

臨床報告

片眼性白内障と片眼進行性白内障との水晶体混濁部位の差異

著者: 近藤由佳1 大橋千尋1 馬嶋昭生1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1439 - P.1442

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 片眼性に発生,進行する白内障を,他眼の水晶体に全く混濁のない片眼性白内障(A群)と,他眼にも混濁の存在する片眼進行性白内障(B群)とに分けて比較検討した。1991年1月から5年間に名古屋市立大学眼科を受診したA群25例,B群63例を対象とした。年齢はA群のほうがB群より有意に低かった(対応のないt検定,p<0.0001)。A群の患眼およびB群の進行眼の水晶体の主な混濁部位は両群とも嚢下が多かった。A群で核混濁が有意に多く(χ2検定,p<0.01),皮質混濁の割合はB群に有意に多かった(同,p<0.05)。B群は混合型の混濁が多くみられた。このように片眼性白内障と片眼進行性白内障の性質に差異があることから,両者は互いに成因の異なる可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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