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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻8号

1997年08月発行

文献概要

臨床報告

角膜真菌症の2病型

著者: 石橋康久1 徳田和央2 宮永嘉隆1

所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院眼科 2山口大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1447 - P.1452

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 過去20年間の角膜真菌症40例を検討した。外傷の既往があり,植物病原体によるもの20例,Candna属などの常在菌によるもの17例,その他3例であった。この事実から,角膜真菌症を,植物病原菌型(農村型)と常在菌型(都市型)に分類することを提案する。前者は植物の枝や葉による外傷を契機として発症し,抗生物質やステロイド薬に抵抗して進行し、原因菌にはFusarium属が多い。後者は全身的あるいは局所的な免疫不全が基礎にあって発症するもので,角膜全層移植後に発症するものが含まれる。後者は眼科的に濃厚な治療をしているときに好発する。原因菌には腸内や皮膚の常在菌であるCandida属が多く,真の意味での日和見感染である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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