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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻8号

1997年08月発行

文献概要

臨床報告

交感性眼炎発症後,進行を停止した増殖糖尿病網膜症の2例

著者: 石田美幸1 池田恒彦1 澤浩1 前田耕志1 木下茂1

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1467 - P.1471

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 増殖糖尿病網膜症の片眼に硝子体手術を行った後,交感性眼炎を発症し,その後被交感眼の網膜症の進行が停止した2症例を報告した。症例1では硝子体出血に黄斑外牽引性網膜剥離を合併しており,症例2では黄斑部牽引性網膜剥離を認めたために硝子体手術を行った。両症例とも最終硝子体手術5か月後に交感性眼炎を発症し,いずれも被交感眼は夕焼け状眼底に移行した。交感性眼炎発症時,被交感眼に症例1では網膜および乳頭上新生血管を,症例2では線維血管性増殖膜を認めたが,夕焼け状眼底移行後,いずれも退縮した。交感性眼炎発症後の脈絡膜および網膜色素上皮の代謝変化が,糖尿病網膜症の進行に何らかの抑制効果を及ぼしている可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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