icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻8号

1997年08月発行

臨床報告

近視性黄斑円孔網膜剥離と後部硝子体皮質前ポケット

著者: 鈴木純一1 鈴木治之1 盧勇1 斎藤哲哉1 関根伸子1 中川喬1

所属機関: 1札幌医科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1473 - P.1476

文献概要

 近視性黄斑円孔網膜剥離の後極部剥離網膜の網膜前膜様組織を硝子体手術術前・術中に検討し,この病因を検討した。対象は男性1眼,女性9眼の連続10眼,年齢は54〜85歳(平均65.2歳)であった。硝子体手術前に2眼でガス注入術が行われていた。術前,Weiss ringを認める後部硝子体剥離は10眼中8眼でみられた。硝子体手術前に網膜前膜様組織は5眼にみられ,手術中に残り5眼中4眼で後部硝子体皮質の癒着が確認された。この組織を剥離して9眼(90%)で初回の硝子体手術で網膜は復位した。網膜上の膜様組織は硝子体皮質の遺残(後部硝子体皮質前ポケットの後壁)組織であり,近視性黄斑円孔網膜剥離は円孔の接線方向の牽引と長い眼軸や網脈絡膜萎縮などの近視性変化によって生じると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら