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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻8号

1997年08月発行

文献概要

臨床報告

水痘帯状疱疹ウイルスが原因と考えられた網膜血管炎の1例

著者: 蒔苗順義1 松橋英昭1 木村聡1 吉本弘志1

所属機関: 1弘前大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1477 - P.1480

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 26歳男性が右眼視力低下を主訴に受診した。右眼底の鼻上側に扇状の網膜出血,黄白色滲出物を伴った血管白鞘形成を,また乳頭周囲には血管性増殖膜がみられた。プレドニソロンおよびアシクロビルを投与したが,増殖膜は増大し,牽引性網膜剥離を合併した。増殖膜および鼻上側の無血管野へ網膜光凝固を行ったところ,裂孔原性網膜剥離となった。硝子体手術により網膜は復位した。Polymerase-chain reaction法により硝子体液から水痘帯状疱疹ウイルスおよびEpstein-BarrウイルスDNAが検出された。この症例は水痘帯状疱疹ウイルスによる網膜血管炎と考えられた。水痘帯状疱疹ウイルスは,若年発症の網膜静脈分枝閉塞症の原因の1つである可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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