icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻8号

1997年08月発行

臨床報告

緑内障治療におけるウノプロストン点眼液の有用性

著者: 山上淳吉1 新家真1 小関信之1

所属機関: 1JR東京総合病院眼科 2東京大学医学部附属病院分院眼科 3東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1493 - P.1497

文献概要

 緑内障78例120眼(平均年齢56.2歳)に対して,ウノプロストン点眼液を既治療に追加または無治療から新たに開始した場合(追加群),もしくは書前治療薬のうちの1剤をウノプロストンに交換した場合(交換群)について,眼圧下降効果の検討を行った。ウノプロストン投与前後3回の眼圧平均を比較し,この平均眼圧が1.0mmHg以上下降した場合を有効,それ未満もしくは投与を中止した場合を無効とした。追加群92眼のうち,53眼(58%)で有効と判定され,有効眼の眼圧は平均3.1mmHg下降した。追加群をピロカルピン併用群(35眼)とピロカルピン非併用群(57眼)とに分けたところ、前者では22眼(63%),後者では31眼(54%)で有効と判定され,有効と判定された眼では,それぞれ2.4,3.4mmHgの眼圧下降を得た。無治療から新たにウノプロストンを開始した21眼において,有効と判定されたものは15眼(71%),同じく3.6mmHgの眼圧下降を得た。交換群28眼では,有効と判定されたものが10眼(36%)で,2.9±1.5mmHgの眼圧下降を得た。副作用として,角膜上皮障害が6眼(5.2%)にみられたが,投与中止により所見は改善した。ウノプロストン点眼は新たに眼圧下降治療を開始するときのみならず,緑内障治療眼においてさらに眼圧を下降させたい場合,また何らかの理由により薬物を交換する場合に約半数の症例で有用である可能性をもち,また,眼圧作用機序の拮抗するピロカルピンとの併用でも眼圧下降を期待することができると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら