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文献概要
50歳の女性が右眼の視力低下と充血を主訴として受診した。右眼は視力0.01であり,眼底全域に網膜静脈の著明な白鞘化,動脈の軽度の白鞘化,網膜の浮腫混濁,しみだし様出血があった。片眼性の樹氷状血管炎と診断した。フルオレセイン螢光造影で,網膜静脈からの強い螢光漏出があり,血管床閉塞が鼻側下方にあった。インドシアニングリーン(ICG)螢光造影で,脈絡膜静脈に透過性亢進の所見があり,造影30分後に乳頭周囲に過螢光を生じた。この時点でも網膜静脈の壁染が持続した。デキサメタゾンの大量点滴静注を開始した。治療は著効し,視力は10週後に0.9に改善した。網膜動静脈の白鞘は消失し,フルオレセインとICG螢光造影所見も正常化した。本例では,ICG造影で脈絡膜に血管病変があることが確認され,網膜血管に強い壁染があった。本症例は,従来の報告のなかで,最高齢の樹氷状血管炎の1例である。
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