icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻1号

1998年01月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・135

化膿性細菌性眼内炎と全眼球炎

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部限科学教室

ページ範囲:P.20 - P.21

文献購入ページに移動
 化膿性細菌性眼内炎purulent bacterial endoph-thalmitisは細菌感染で起こる眼内の急性,非肉芽腫性,化膿性炎症である。外因性exogenousと内因性endogenousがある。多くの例は外因性化膿性眼内炎exogenous purulent endophthalmitisで,細菌性角膜潰瘍(図1)や穿孔性眼外傷(図2),内眼手術などで細菌が眼内に波及することによって起こる。術後では,緑内障濾過手術瘢痕創,網膜剥離手術の強膜バックルからの感染もある。さらに,眼内レンズ移植に伴うPropriobacterium acnesなどの弱毒菌感染もある。内因性のものは転移性細菌性眼内炎metastatic bacterial endophthalmitisとも呼ばれ,敗血症や腎盂腎炎などで血行性に起炎菌が眼球へ波及することによる。近年,ステロイド薬や免疫抑制薬の使用例,糖尿病患者など免疫力の低下による化膿性細菌性眼内炎の発症が増加している。
 起炎菌は,グラム陽性球菌の黄色ブドウ球菌,表皮ブドウ球菌,連鎖球菌など,グラム陰性球菌はプロテウス属,緑膿菌などである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?