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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻1号

1998年01月発行

文献概要

臨床報告

妊娠末期に発症した急性散在性脳脊髄炎の1例

著者: 橋本雅人1 大塚賢二1 中村靖1 勝田聡1 中川喬1

所属機関: 1札幌医科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.41 - P.44

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 妊娠末期に発症した急性散在性脳脊髄炎(acute disseminated encephalomyelitis:ADEM)の1例を経験した。症例は妊娠32週の31歳女性で,1週間前から感冒様症状後に右側が見にくいのに気づき来院。眼科的所見では,右対光反応不良と右不一致性同名半盲を示し,左視索症候群が示唆された。頭部MRI所見では,T2強調画像において左視床および視索に脱髄斑と思われる高信号領域がみられ,また髄液検査では細胞数の増多とミエリン塩基性蛋白を認めた。これらの臨床所見からADEMと診断された。副腎皮質ホルモンの大量点滴療法を行ったが,視野の改善はみられず,現在経過観察中である。妊娠中に発症したADEMは調べた限りではまだ報告がなく,貴重な症例と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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