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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻1号

1998年01月発行

文献概要

臨床報告

網膜循環障害での多局所網膜電図の潜時延長の意義

著者: 青柳康二1 木村保孝1 磯野博明1 秋山英雄1 菅原隆博1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.65 - P.70

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 糖尿病網膜症と網膜動脈分枝閉塞症に対して多局所網膜電図装置であるvisual evoked responseimaging system (VERIS III)による検索を行い,病変部位の応答密度,振幅および頂点潜時について検討した。増殖または前増殖糖尿病網膜症12眼では,正常眼と比較して平均で応答密度は79%減少,振幅は44%減少,頂点潜時は23%延長していた。閉塞直後および陳旧性の網膜動脈分枝閉塞症5眼では,上下左右の4分割領域の検討で,閉塞領域を含む領域では正常領域と比べて応答密度は48%減少,振幅は12%減少,頂点潜時は13%延長していた。今回用いた多局所網膜電図装置は応答密度の計算にテンプレート法を利用しているため,応答密度の低下には振幅の低下だけでなく頂点潜時の延長が大きく影響している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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