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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻1号

1998年01月発行

文献概要

臨床報告

乱視と角膜形状からみた小切開白内障手術

著者: 高橋洋子1 常岡寛1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.71 - P.76

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 白内障手術後の角膜乱視を軽減させるため,小切開手術が推奨されている。われわれは,超音波白内障手術を行い,折り畳み眼内レンズを挿入した238眼につき,角膜乱視と角膜形状の経過を検索した。耳側角膜1面切開群(3.0mm,3.5mm,4.1mm)と,4.1mm強角膜1面切開群に分けて所見を解析した。術後1か月での平均惹起角膜乱視量は,角膜1面切開3.0mm群0.48D,3.5mm群0.79D,4.1mm群0.92Dであり,強角膜1面切開群で0.32Dであった。角膜形状は,3.0mm角膜1面耳側切開群と強角膜1面切開群で平坦化が少なく,3.5mm,4.1mm角膜1面切開群と3.0mm鼻側角膜1面切開群で大きかった。術後の惹起角膜乱視を少なくするためには,角膜1面切開では3.0mm以下の耳側切開が望ましく,4.1mm以上の切開が必要な場合には強角膜1面切開が望ましいと結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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