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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻1号

1998年01月発行

文献概要

臨床報告

亜全摘後に残存腫瘍が自然消失した眼窩内神経鞘腫の1例

著者: 尾金一民14 尾田宣仁13 石井正三1 石井敦子3

所属機関: 1石井脳神経外科・眼科病院脳神経外科 2石井脳神経外科・眼科病院脳神経内科 3石井脳神経外科・眼科病院脳神経眼科 4弘前大学医学部脳神経外科教室

ページ範囲:P.105 - P.110

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 67歳女性が11年前から右眼視力低下を自覚し,7か月前から右眼眼球突出が生じた。受診時の右視力は0であった。右眼窩内に,嚢胞性で鮮明に造影される腫瘤がCTとMRIで同定され,眼窩内良性腫瘍と診断された。経頭蓋的に摘出を行ったが,周囲の神経と筋肉との癒着が強固で,亜全摘に終わった。病理診断は神経鞘腫であった。右眼窩内に腫瘍の残存が術後のCTで確認されたが,術後1年8か月後のCTとMRI検査で残存腫瘍は消失していた。この間,眼球運動障害は著明に改善した。本例での残存腫瘍の自然消失は,手術により腫瘍への栄養血管が障害され,虚血性壊死による吸収の結果であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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