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今月の表紙
レーザー光による外傷性黄斑円孔
著者: 赤坂佳子1 玉井信1
所属機関: 1東北大学眼科
ページ範囲:P.1645 - P.1645
文献購入ページに移動 28歳の男性が実験で近赤外レーザーを使用中,右眼に誤照射し近医を受診した。受傷時保護眼鏡は使用していなかった。視力は右(0.04),左(1.2),右黄斑部に出血と浮腫を認めた。1週間後当科を紹介され受診した。視力は右(0.5),左(1.2)で,右黄斑部に出血と浮腫を認め,軽度硝子体出血を伴っていた。走査レーザー検眼鏡(以下,SLO)で観察した。ヘリウムネオンでは0.3乳頭径の輪状浮腫を認めた(図1)。フルオレセイン螢光眼底検査では,輪状に淡い過螢光のみであったが(図3),ICG螢光眼底検査では脈絡膜毛細血管の充盈欠損を認めた(図4)。受傷2か月後,視力は不変であったが検眼鏡的に0.2乳頭径の黄斑円孔に進展していた(表紙)。SLOのヘリウムネオンでは円孔周囲に花冠状皺襞を認める全層黄斑円孔であった(図2)。
近赤外光という長波長のレーザーであったため,その影響が網膜よりも脈絡膜に強く及び,出血や浮腫をきたし,二次的に黄斑円孔をきたしたと推測される。
近赤外光という長波長のレーザーであったため,その影響が網膜よりも脈絡膜に強く及び,出血や浮腫をきたし,二次的に黄斑円孔をきたしたと推測される。
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