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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻10号

1998年10月発行

臨床報告

原田病のステロイド大量療法

著者: 王艶玲1 河原澄枝1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1699 - P.1703

文献概要

 原田病の新鮮症例31例にステロイド剤大量療法を行った。初期投与量をプレドニゾロン換算1日100〜200mgで開始し,眼底所見とフルオレセイン・ICG螢光造影所見を参考にして漸減し,原則として最低6か月間投与した。治療開始後,フルオレセイン螢光造影所見は平均10日で改善したが,網膜剥離と後極部網膜浮腫の消退には平均36日かかった。ICG造影所見の改善にはさらに日数を要した。6例でステロイド減量中に眼底所見が悪化し,ステロイドの増量が必要になったが,遷延化ないし治癒後に再発した症例はなかった。この成績は,原田病にはステロイド剤大量療法が有効であることと,再燃を防ぐために減量を徐々に行うべきことを示している。また,病態の把握とステロイド剤減量には,フルオレセインとICG螢光眼底造影とが有用であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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