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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻10号

1998年10月発行

文献概要

臨床報告

眼内レンズ手術がシヌソトミー併用トラベクロトミーの術後眼圧におよぼす効果

著者: 溝口尚則1 松村美代1 門脇弘之1 黒田真一郎1 寺内博夫1 永田誠1

所属機関: 1永田眼科

ページ範囲:P.1705 - P.1709

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 超音波乳化吸引術と眼内レンズ挿入術(PEA+IOL)にシヌソトミー併用トラベクロトミーを併用した同時手術と,シヌソトミー併用トラベクロトミー単独手術との術後眼圧を評価することにより,同時手術時に水晶体摘出による眼圧下降の相乗効果の有無について検討した。同時手術群は38眼,単独手術群は37眼であり,対象の病型はすべて原発開放隅角緑内障と偽落屑症候群を伴う開放隅角緑内障であった。術前両群の間には背景に差をみなかった。術後眼圧は,術後6か月のみ同時手術群の眼圧が有意に低かったが,その後は両群の術後眼圧は有意差をみなかった。Kaplan-Meier生命表を用いた検討では,術後20mmHg以下,術後14mmHg以下へのコントロール率は術後30か月で両群に差はなかった。両群とも術前より術後投薬数は減少した。
 シヌソトミー併用トラベクロトミーを用いた場合は,これら緑内障の単独手術でも,PEA+IOL併用の同時手術でも術後眼圧は同じであり,水晶体摘出による眼圧下降の相乗効果はみられなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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