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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻10号

1998年10月発行

文献概要

臨床報告

頭部鈍性外傷後に両鼻側半盲を生じた1例

著者: 鈴木幸彦1 野田康子1 金子昭夫2 山上潔2 前田修司3

所属機関: 1弘前大学医学部眼科学教室 2青森県立中央病院眼科 3前田眼科医院

ページ範囲:P.1711 - P.1714

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 55歳の男性が両眼の視力低下で受診した。2か月前に歩行中の交通事故で頭部に鈍性外傷を負い,脳内血腫と診断されていた。矯正視力は両眼0.5で,典型的な両鼻側半盲があった。右眼に乳頭の蒼白化と両眼に緑内障性の陥凹拡大があった。頭部MRI検査で,右前頭葉と側頭葉におよぶ血腫があり,視交叉が左側に偏位し,下垂体漏斗が左側に傾斜していた。両鼻側半盲は,視交叉への血腫による圧迫に加え,左側への視交叉の偏位により,隣接している内頸動脈がこれを左側から圧迫した結果であると推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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