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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻11号

1998年10月発行

文献概要

特集 眼科検査法を検証する Ⅰ.基本的な眼科検査法の検証

分子生物学的検査(基礎編)

著者: 伊佐敷靖1 大庭紀雄2

所属機関: 1鹿児島大学医学部附属難治性ウイルス疾患研究センター分子病理・遺伝子疫学研究分野 2鹿児島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.47 - P.50

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 分子生物学的検査の主な標的は,デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid:DNA)またはリボ核酸(ribonucleic acid:RNA)である。これらの核酸は,生命現象の担い手である蛋白を誘導合成する重要な役割を持つ。DNAのうち,蛋白合成に必要な遺伝機能の最小単位を遺伝子(gene,遺伝子DNA)という。遺伝子DNAは蛋白合成の鋳型原本に,RNAは蛋白合成工場の組立ラインに例えることができる(図1)。
 分子生物学的検査の対象として,遺伝病,腫瘍,感染症,炎症などがあげられる。これらのうちの遺伝病に注目すると,最近の十数年間で眼科領域の疾病遺伝子が続々と発見されている。遺伝子検査の臨床応用を加速した大きな要因として,polymerase chain reaction amplification (PCR)法の発見がある。ここでは,遺伝性眼疾患の遺伝子変異検索事例をあげながら,PCR法をベースにした方法を中心に,筆者らの研究室で行っている一連の遺伝子(DNA)検査法を紹介する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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