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特集 眼科検査法を検証する Ⅲ.緑内障
眼循環測定—特に視神経乳頭循環を中心に
著者: 富田剛司1
所属機関: 1岐阜大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.120 - P.123
文献購入ページに移動緑内障における視神経乳頭循環測定の意義
緑内障患者には心・血管系の障害,糖尿病などの全身疾患の頻度が高く,さらに正常眼圧緑内障では偏頭痛や乳頭部線状出血の頻度が高いことなどが報告されており,緑内障発症に対し全身的,もしくは局所的循環障害要因の関与が古くから指摘されている。このため,緑内障眼における乳頭循環動態を把握することは,その病態を解明する上でも,診療上においても亜要と考えられる。しかしながら,現時点では緑内障眼における乳頭循環動態と病態との関連はほとんど解明されておらず,正常眼においてさえ眼内血流動態に関する知見は未だ乏しい。これは緑内障性視神経障害の本体である視神経乳頭部の血流動態を非侵襲的かつ安全で再現性,精度とも高く測定する確立された技法が未だ存在しないことも一因となっている。現在試みられている各種の計測法はそれぞれ一長短があり,今のところ臨床研究段階以上のものではない。
緑内障患者には心・血管系の障害,糖尿病などの全身疾患の頻度が高く,さらに正常眼圧緑内障では偏頭痛や乳頭部線状出血の頻度が高いことなどが報告されており,緑内障発症に対し全身的,もしくは局所的循環障害要因の関与が古くから指摘されている。このため,緑内障眼における乳頭循環動態を把握することは,その病態を解明する上でも,診療上においても亜要と考えられる。しかしながら,現時点では緑内障眼における乳頭循環動態と病態との関連はほとんど解明されておらず,正常眼においてさえ眼内血流動態に関する知見は未だ乏しい。これは緑内障性視神経障害の本体である視神経乳頭部の血流動態を非侵襲的かつ安全で再現性,精度とも高く測定する確立された技法が未だ存在しないことも一因となっている。現在試みられている各種の計測法はそれぞれ一長短があり,今のところ臨床研究段階以上のものではない。
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