icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻12号

1998年11月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・145

瞳孔膜遺残

著者: 久保田敏昭1 本田祐恵1 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1770 - P.1771

文献購入ページに移動
 瞳孔膜遺残persistent pupillary membraneは胎生期の前部水晶体血管膜anterior tunica vasculosalentisが消失せずに,網目状の組織が瞳孔領に残ったことをいう。
 胎生期の水晶体は全体が血管膜で包まれている。水晶体の前面は虹彩実質の血管から連続する血管膜で覆われ,前部水晶体血管膜を形成する。胎生第8週になると,水晶体の前面に密着していた血管に富む間葉組織は虹彩捲縮輪から連続する血管膜になる。水晶体の後面は硝子体動脈の分枝からなる血管膜で覆われ,後部水晶体血管膜posterior tunica vasculosa lentisを形成する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?