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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻12号

1998年11月発行

文献概要

臨床報告

アイゼンメンゲル症候群に発症した両眼性網膜中心静脈閉塞症の1例

著者: 谷圭介1 廣川博之2 野村直人3

所属機関: 1新日鐵室蘭総合病院眼科 2旭川医科大学眼科学教室 3新日鐵室蘭総合病院内科

ページ範囲:P.1803 - P.1807

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 44歳女性が左眼視力低下で受診した。10年前に先天性心室中隔欠損が発見されたが放置していた。矯正視力は右1.2,左0.1であり,両眼眼底に網膜中心静脈閉塞症が発症していた。血液の凝固系と線溶系に異常はなく,赤血球数が790万/μlに増加していた。労作時に高血圧になる血圧変動があった。内科で心室中隔欠損症によるアイゼンメンゲル症候群および二次性多血症と診断された。両眼の網膜中心静脈閉塞症の原因として,血圧変動に伴う血流異常,多血症による血液粘稠度の上昇などのために,静脈系のうつ滞と血栓形成が起こりやすいことが推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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