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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻12号

1998年11月発行

文献概要

臨床報告

硝子体手術後に発症した交感性眼炎の1例

著者: 笹尾晋1 木村直樹2 上西衛2 山中昭夫2 中村好彦3 安積淳4

所属機関: 1新日鉄広畑病院眼科 2神戸海星病院眼科 3公立和田山病院眼科 4神戸大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1853 - P.1856

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 硝子体手術後に発症した交感性眼炎の1例を経験した。症例は59歳女性で,右網膜中心静脈閉塞症後の増殖硝子体網膜症に対し,硝子体手術を行った。術後6か月目に右前房出血が起こった。眼球癆に進行しつつある眼球に生じた破綻性出血と考えたが,線維素が析出し,前房出血は遷延した。術後8か月目に左線維素性虹彩炎を発症した。その20日後に左眼に漿液性網膜剥離が起こり,交感性眼炎と診断した。ステロイドの大量漸減療法を施行し,左眼の炎症は消退した。同時に右眼の前房出血も消退した。前房出血のため起交感眼の炎症の評価が困難であったこと,前眼部の線維素性ぶどう膜炎として発症したことを特徴とする交感性眼炎の1例であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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