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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻13号

1998年12月発行

臨床報告

ステロイド薬投与中に発症した中心性漿液性網脈絡膜症の脈絡膜所見

著者: 町田繁樹1 林一彦2 長谷川豊1 三善恵1 藤原貴光1 田澤豊1

所属機関: 1岩手医科大学眼科学教室 2岩手県立花巻厚生病院眼科

ページ範囲:P.1893 - P.1898

文献概要

 副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)の全身投与中に,中心性漿液性網脈絡膜症を起こした5例8眼(男性4名,女性1名,年齢36〜64歳)に,フルオレセイン螢光造影(FA)およびインドシアニングリーン螢光造影(IA)を用い,脈絡膜病変を検討した。全症例に網膜色素上皮の萎縮あるいは剥離を伴った漿液性網膜剥離がみられ,FAでは螢光色素の漏出が観察された。IAでは7眼(86%)で網膜色素上皮病変よりも広範囲に脈絡膜内過螢光がみられたことから,本症発症の背景には脈絡膜病変が関与していると考えられた。ステロイドの全身投与中にIAで脈絡膜内過螢光を認めた場合には,本症の発症に留意する必要があると推察された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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