臨床眼科52巻13号

1998年12月発行

臨床報告

増殖糖尿病網膜症に伴う血管新生緑内障に対する手術治療の長期成績

著者： 向野利寛¹ 五十嵐千寿佳¹ 武末佳子¹ 志賀宗祐¹ 有田直子¹

所属機関： ¹福岡大学筑紫病院眼科

ページ範囲：P.1941 - P.1946

　過去5年間に，増殖糖尿病網膜症に併発した血管新生緑内障10例13眼に対して手術を行った。いずれも初回手術であり，硝子体手術と水晶体切除を基本とし，症例に応じて毛様体濾過手術やcyclophotocoaguiation ab externo，線維柱帯切除術を併用した。手術回数は1回から6回，平均3.3回であり，最終手術から9ないし50か月，平均19.1か月の問経過を観察した。11眼（85％）で眼圧は正常化した。0.1以上の視力が6眼（46％）で得られ，2眼が0となった。