文献詳細
臨床報告
文献概要
11年前からバセドー病と診断されている47歳女性が両眼の眼球突出を主訴として受診した。ステロイド薬内服で眼球突出はいったん軽減したが,8年後に増悪した。放射線照射とステロイド薬内服で甲状腺眼症が軽快せず,視神経症が生じた。増悪の8か月後に両眼に対して,眼窩内壁と内下壁を除去し,眼窩脂肪を脱出させる眼窩減圧術を行った。これにより視神経症が改善し,治療に抵抗していた結膜充血,高眼圧,眼球突出が術直後から著しく軽快した。甲状腺眼症に対して眼窩減圧術が有効であることを示す1例である。
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