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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻2号

1998年02月発行

文献概要

臨床報告

開放隅角緑内障と高眼圧症眼の角膜形状が眼圧測定値に及ぼす影響

著者: 松本拓也1 牧野弘之1 新井麻美子1 松村洋臣1 魚里博2 西信元嗣2

所属機関: 1星ケ丘厚生年金病院眼科 2奈良県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.177 - P.182

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 眼圧測定値が中心角膜厚と角膜曲率でつくられる角膜力学特性にどのように影響されるかを,開放隅角緑内障24眼と高眼圧症89眼で検討した。眼圧は非接触眼圧計で,中心角膜厚は超音波角膜厚測定装置で計測した。中心角膜厚と角膜曲率半径から求めた角膜変形度は,高眼圧症眼で緑内障眼よりも有意に小さかった(p<0.01)。高眼圧症では角膜弾性が高く,このために眼圧値が過大評価されていると推定された。治療前の眼圧と角膜変形度の症例ごとの検討から,眼圧,中心角膜厚,角膜曲率半径を指標として、視野異常の危険率の高い群(開放隅角緑内障)と低い群(高眼圧症)とに明確に区別でき,その精度は眼圧値による区別よりも高かった。角膜形状は眼圧測定値に影響すること,さらに眼圧と視野との関係にも影響することが結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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