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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻2号

1998年02月発行

文献概要

臨床報告

同一症例におけるシヌソトミー併用トラベクロトミーとトラベクレクトミーの術後視力

著者: 溝口尚則1 松村美代1 門脇弘之1 黒田真一郎1 寺内博夫1 永田誠1

所属機関: 1永田眼科

ページ範囲:P.185 - P.189

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 同一症例の片眼にトラベクレクトミー(A群),片眼にシヌソトミー併用トラベクロトミー(B群)を行い,術後の視力について検討した。開放隅角緑内障眼で両眼ともに初回手術であり,術後12か月以上経過観察できた症例とした。対象は26例で,平均観察期間は25.7か月,平均年齢は56.4歳であった。経過中,術後眼圧が20mmHg以下に維持されている症例で視力が2段階以上低下した症例は,術後12か月と24か月でそれぞれ,A群で39%,38%であり,B群で15%,6%であった。術後目標眼圧以下に眼圧が維持できた(A群は14mmHg以下,B群は16mmHg以下)症例で,2段階以上低下したのは術後12か月と24か月でそれぞれ,A群で50%,33%,B群で21%,13%であった。トラベクレクトミーは術後視力が低下する症例が多く,たとえ術後眼圧コントロール良好眼でも低下する頻度が高い。しかし,シヌソトミー併用トラベクロトミーは術後に視力が低下する症例は少なく,視力の維持にはよい術式である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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