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文献概要
連載 眼の組織・病理アトラス・137
未熟児網膜症
著者: 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学医学部眼科学
ページ範囲:P.238 - P.239
文献購入ページに移動 未熟児網膜症retinopathy of prematurity (ROP)は,未熟児網膜の血管の未熟性を基盤として,酸素の影響で発症する血管新生性疾患である。1942年にTerryが未熟児の水晶体後方に膜状物を形成する水晶体後部線維増殖症retrolental fibroplasia(RLF)として報告した。その後,RLFは本症の重症瘢痕期病変であることが明らかにされ,1982年に未熟児網膜症が本症の正式名称に決められた。
未熟児網膜症は,酸素投与によって網膜血管の収縮,閉塞が起こる血管閉塞期と,それに続く血管増殖期(活動期),および瘢痕期に分けられる。生下時体重が1,500g未満の極小未熟児,および1,000g未満の超未熟児では,酸素を投与しなくても網膜症が発症しやすい。
未熟児網膜症は,酸素投与によって網膜血管の収縮,閉塞が起こる血管閉塞期と,それに続く血管増殖期(活動期),および瘢痕期に分けられる。生下時体重が1,500g未満の極小未熟児,および1,000g未満の超未熟児では,酸素を投与しなくても網膜症が発症しやすい。
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