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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻3号

1998年03月発行

文献概要

特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

硝子体手術による視神経乳頭サルコイドーシスの治療

著者: 後藤浩1 大下雅世1 臼井正彦1

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.245 - P.249

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(18-G402-10) ステロイド療法に抵抗する視神経乳頭サルコイドーシスに対して硝子体手術を行い,良好な結果が得られた。症例は29歳のサルコイドーシスの男性で,右眼視神経乳頭上の肉芽腫に対してステロイド薬の局所および全身投与を行ったが全く反応せず,肉芽腫は徐々に拡大していった。滲出性網膜剥離の進行とともに視力も手動弁まで低下したため,硝子体手術を行った。術式はステロイド薬含有灌流液下に硝子体を可及的に切除,液—ガス置換をしつつ,意図的裂孔から網膜下液を排液し,さらに27ゲージ針を用いて乳頭上の肉芽腫内にペタメタゾンを直接注入した。術後,視力は0.6まで改善し,前眼部を除けば炎症の再燃などはみられていない。
 難治な視神経乳頭サルコイドーシスに対して,ステロイドの直接注入療法を併用した硝子体手術は有用と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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