文献詳細
特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(1)
学会原著
文献概要
(18-P1-23) 糖尿病網膜症への汎網膜光凝固後で,硝子体牽引により黄斑部網膜剥離をきたしたと考えられる1例を経験した。症例は50歳男性。主訴は右眼視力低下。5年前に他院で糖尿病網膜症に対し汎網膜光凝固が施行されている。視力は右0.9。眼底は黄斑部に扁平な網膜剥離を認めた。漿液性剥離を考え内服で経過観察を行ったが改善せず,視力が0.6と低下したため手術を施行した。術中,後部硝子体未剥離と下耳側血管縁に網膜裂孔を確認した。術後1か月で右眼視力は0.9まで改善した。強い網膜光凝固斑に小裂孔を認めたことから,網膜の過剰凝固により脆弱化した網膜に黄斑部からの硝子体牽引が作用し小裂孔が形成され,黄斑部網膜剥離をきたしたと考えた。
掲載誌情報