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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻3号

1998年03月発行

文献概要

特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

ステロイド大量投与中に急激な片眼の視力低下を生じた原田病の1症例

著者: 小泉範子1 多田玲2 宮尾洋子3 田中康之3 池田恒彦1 木下茂1

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室 2多田限科 3済生会京都府病院眼科

ページ範囲:P.263 - P.266

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(18-レセ1-31) 両眼に典型的な原田病を発症した40歳女性が,メチルプレドニゾロン200mgを1日量として投与を受けた。6週後に視力が改善した。漿液性網膜剥離が再発したためにステロイドの大量療法が再開された。5週後に両眼とも視力が正常化した。その6週後に左眼の視力が0.3に低下し,プレドニゾロン内服を40mgに増量した。8日後に当科に紹介受診したときの左眼視力は0.08であった。炎症所見はなく,網膜剥離ないし乳頭の発赤はなかった。ステロイドを減量し,アスピリンを投与することで視力は緩慢に回復し,4か月後に左眼視力は0.9に回復した。ステロイド大量投与が視神経ないし網膜の障害の原因となった可能性が推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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