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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻3号

1998年03月発行

臨床報告

後部強膜炎の1例

著者: 前田祥恵1 大黒浩1 盧勇1 静川紀子1 鈴木純一1 中川喬1 木井利明2

所属機関: 1札幌医科大学医学部眼科学教室 2札幌きい眼科

ページ範囲:P.407 - P.410

文献概要

 44歳女性が1か月前からの左眼視力低下で当科を紹介された。初診時の左眼視力は矯正0.4であり,左眼の上強膜血管が拡張していた。眼底には黄斑の下耳側に限局性の漿液性網膜剥離があり,螢光眼底造影で斑状の色素漏出と網膜下の貯留があった。CT検査で眼球後面の強膜と脈絡膜が肥厚し,MRlでもこれに相当する所見があった。左眼の後部強膜炎と診断した。ステロイド薬の全身投与で7日後に網膜剥離が減少し,19日目に視力が1.0に回復し,以後1年間安定した状態にある。炎症の場が脈絡膜から網膜に波及したことが網膜剥離の原因であると解釈された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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