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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻3号

1998年03月発行

文献概要

臨床報告

網膜無灌流域が消失したインターフェロン網膜症の1例

著者: 荒川明1 高塚忠宏1

所属機関: 1虎の門病院眼科

ページ範囲:P.429 - P.433

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 63歳の男性が,慢性C型肝炎に対してインターフェロン(IFN)の全身投与を受けた。治療開始後8週目に両眼の眼底に軟性白斑が多発していることが発見され,IFN網膜症と診断されたが,視力は正常であった。その2日後に左右眼とも視力が0.2に低下し,白斑がさらに増加していた。螢光眼底造影で白斑に相当する部位に網膜毛細血管の無灌流域が同定された。さらに2日後に,予定通りにIFN投与が終了した。さらに10週後の検索で,網膜白斑は消失し,無灌流域は再疎通していた。網膜症の発症機序として,血管攣縮と免疫複合体の血管壁への沈着が推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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