臨床眼科52巻4号

1998年04月発行

特集 第51回日本臨床眼科学会講演集（2）

学会原著

難治性眼サルコイドーシスの2症例

著者： 鈴木高佳¹ 中村聡¹ 西出忠之¹ 立原蘭¹ 益原奈美¹ 高野雅彦¹ 大野重昭¹

所属機関： ¹横浜市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲：P.481 - P.485

文献概要

（17-P2-9）　23歳男性と69歳女性が眼サルコイドーシスによる網膜ぶどう膜炎で受診した。第1例，第2例とも両眼発症であった。副腎皮質ステロイドの局所と全身投与で炎症は寛解したが，高度の硝子体混濁，血管新生，硝子体出血が続発した。第1例では網膜剥離により視力が失われた。第2例では，硝子体手術により視力の改善が得られた。両症例とも当科受診前に，それまでの治療を長期間中断していたことが重症化の一因であると推定された。