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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻4号

1998年04月発行

特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(2)

学会原著

ステロイドパルス療法が奏効した血管閉塞型SLE網膜症の1例

著者: 森田啓文1 伊比健児1 秋谷忍1 齋藤和義2

所属機関: 1産業医科大学眼科学教室 2産業医科大学第一内科学教室

ページ範囲:P.497 - P.501

文献概要

(18-P1-19) 網膜動静脈の閉塞をきたし予後が極めて不良とされる血管閉塞型SLE網膜症にステロイドパルス療法を施行し,有効であった1例を経験した。症例は27歳の女性で,左眼霧視を自覚して受診。矯正視力は右1.2,左手動弁。螢光眼底造影にて右眼は散在性の毛細血管床閉塞とその周囲の血管炎所見,左眼は黄斑部を含んだ広範囲な毛細血管床閉塞と動静脈における造影剤の途絶の所見がみられた。ステロイド内服療法を行うも右眼血管炎は増悪し,視力0.4と低下したためステロイドパルス療法を行った。治療後右矯正視力は1.2に回復し,血管炎ならびに毛細血管床閉塞の改善,ERGの正常化がみられた。
 毛細血管床の閉塞が広範囲に及ぶ前の段階でのステロイドパルス療法は有効であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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