特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(2)
学会原著
ぶどう膜炎による続発緑内障・併発白内障に対する白内障・トラベクレクトミー同時手術と単独手術
著者:
溝口尚則1
松村美代1
永田誠1
所属機関:
1永田眼科
ページ範囲:P.503 - P.507
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(17-レセ2-13) ぶどう膜炎による続発開放隅角緑内障に対して,マイトマイシンCを併用したトラベクレクトミー(単独群)と超音波乳化吸引術に眼内レンズ挿入術とマイトマイシンC併用のトラベクレクトミー(同時手術群)を行い比較した。単独手術群は33眼で同時手術群は25眼であった。Kaplan-Meier生命表法を用いた検討では,術後20mmHg以下への最終眼圧調整率は単独手術群で0.87±0.08(累積生存率±標準誤差),同時手術群で0.68±0.11(累積生存率±標準誤差)であった。両群問で有意差をみなかった。しかし,術後14mmHg以下への最終眼圧調整率は,単独手術群で0.63±0.09(累積生存率±標準誤差),同時手術群で0.24±0.12(累積生存率±標準誤差)であり,単独手術群が有意に良好であった。濾過胞の生存率は,単独手術群で0.808±0.06(累積生存率±標準誤差),同時手術群でO.50±0.11(累積生存率±標準誤差)であり,単独手術群が有意に良好であった。同時手術は,術後濾過胞が消失しても20mmHg以下への調整率が艮好であったが、単独手術の場合は積極的に濾過胞を作らないと眼圧調整率は不良であった。両群とも術後炎症の再燃はほとんどみなかった。