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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

網脈絡膜病変を示した全身性エリテマトーデスの1症例のインドシアニングリーン螢光眼底造影所見

著者: 田中康之1 山崎俊秀2 宮尾洋子3 奥沢淳治4

所属機関: 1済生会京都府病院眼科 2京都府立与謝の海病院眼科 3京都府立医科大学眼科学教室 4市立福知山市民病院眼科

ページ範囲:P.535 - P.537

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(17P2-21) 59歳の女性が視力低下で紹介された。初診時の矯正視力は右0.3,左1.0であった。両眼眼底に,乳頭の発赤腫脹,網膜の出血,浮腫,軟性白斑があった。血圧が220/130 mmHgであり,その後の検査で全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された。その後,眼底には異常を認めなかったが,初診から12年後に左眼視力が低下した。左眼眼底に黄斑浮腫,耳側に脈絡膜剥離,下方に網膜色素上皮の萎縮があった。フルオレセイン螢光造影で左眼底の下方に顆粒状の過螢光と,黄斑に色素漏出が見られた。インドシアニングリーン螢光造影で初期像には異常所見がなく,造影後期に樹枝状ないし数珠状の低螢光の領域があった。右眼は正常造影所見を示した。左眼の低螢光所見は,脈絡膜循環障害によると解釈され,SLEの脈絡膜血管炎に伴う脈絡膜毛細管板閉塞が推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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