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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

サイトメガロウイルス網膜炎が初発病変であった成人T細胞白血病の2症例

著者: 辻真理子1 手島靖夫1 末田順1 小野綾子1 池田英子1 吉村浩一1 長崎比呂志1 疋田直文1 望月學1 田中健2 山口一成3

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室 2久留米大学医学部血液内科 3熊本大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.546 - P.550

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(18-レセ1-27) サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎が初発病変であった成人T細胞白血病(ATL)の2症例を経験した。1例は45歳の男性で,CMV網膜炎の発症後,基礎疾患の検索の結果慢性型ATLと診断された。CMV網膜炎はガンシクロビルの全身投与により消退し,ATLが化学療法により寛解状態となった後は,CMV網膜炎はガンシクロビルの投与中止後も再発はない。他の1例は76歳の女性で,CMV網膜炎発症時,human T cell Lymphotropic virus type1(HTLV-I)キャリアの状態であったが,半年後にくすぶり型ATLが発病した。両例ともCMV網膜炎発症時にCD4+リンパ球数は正常であったが,CD8+リンパ球数が低下し,CD8+リンパ球数の低下がCMV網膜炎の発症に関与する可能性が推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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