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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

網膜動脈瘤のICG螢光眼底造影

著者: 木本高志1 高橋寛二1 岩下憲四郎1 永井由己1 和田光正1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.579 - P.583

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(18-D501-11) 網膜動脈瘤が疑われた15例16眼にICG螢光眼底造影とフルオレセイン螢光眼底造影(フルオ造影)を行い,その所見を検討した。網膜動脈に連なる動脈瘤を検出できたのは,ICG造影では16眼中15眼(93.7%),フルオ造影では2眼(12.5%)であった。動脈瘤の拍動は,フルオ造影では検出困難であったが,ICG造影では16眼中10眼(62.5%)に検出できた。動脈瘤の拍動は,出血後,比較的早期の新鮮な症例に著明であった。ICG造影では,フルオ造影で出血に被われて検出不能な動脈瘤も,造影早期から動脈瘤の輪郭が造影された。造影晩期では動脈瘤からICG色素の漏出がみられたが比較的軽度,限局性で,動脈瘤の輪郭が明瞭に検出された。動脈瘤を被う高度の出血を生じた例では,ICG造影による動脈瘤の検出にはICG造影のほうがフルオ造影よりも有用で,正確にその輪郭と部位を同定することができた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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