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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

片眼性網膜色素変性症の2症例

著者: 田中孝男1 杉田理恵1 土方聡1 井上博2 臼井正彦1

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室 2東京医科大学八王子医療センター眼科

ページ範囲:P.619 - P.623

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(18P1-34) 片眼は検眼鏡的に網膜色素変性症に一致する所見を呈するものの,他眼は検眼鏡的所見のみならず,視機能検査などに異常のない片眼性網膜色素変性症の2症例を経験した。両症例における患眼の螢光眼底所見では色素沈着部の脈絡膜充盈欠損がみられ,視野ではそれぞれ中心性狭窄を示した。暗順応検査では症例1の患眼は第二次暗順応曲線が著しく障害され,また症例2では患眼の暗順応閾値が上昇していた。さらにERGではいずれの症例でも患眼は明らかな異常所見を示し,EOG検査でもL/D比は各々低下していた。しかし,両症例の他眼には異常な検査所見は全くみられなかった。また発症に遺伝的因子が関与しているか否かについては,2症例とも明らかではなかった。以上のことから筆者らが経験した2症例は,両眼性の定型的網膜色素変性症とは異なる,片眼性の非定型例と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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