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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻4号

1998年04月発行

文献概要

臨床報告

眼ベーチェット病治療におけるステロイド薬全身投与の再評価

著者: 松浦岳司1 後藤浩1 市側稔博1 松澤豪1 坂井潤一1 臼井正彦1

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.670 - P.674

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 眼ベーチェット病患者に対するステロイド薬の全身投与による治療効果について再評価を試みた。対象はベーチェット病と診断された61例で,平均診察期間は6年4か月,そのうちステロイド投与群は20例,非投与群は41例である。視力の転帰で比較すると,経過観察期間の長短にかかわらず,ステロイド投与群で有意に視力低下,不良例が多くみられた。眼炎症発作回数でもステロイド投与群2.5±2.0回に対して非投与群1.5±2.7回と,投与群に発作回数が有意に多かった。しかし,ステロイド非投与群のなかでも視力低下群に限れば,徐々に発作回数が増加していた。視力と発作回数で判断する限り,眼ベーチェット病の治療にステロイド薬の全身投与はふさわしくないことが再確認された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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