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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻4号

1998年04月発行

文献概要

臨床報告

尿崩症患者に生じた低眼圧黄斑症

著者: 高須逸平1 松尾俊彦1 山口和男2 細川満人3 松尾信彦1

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室 2土庄中央病院内科 3土庄中央病院眼科

ページ範囲:P.675 - P.679

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 8か月前に右眼白内障手術を受けた尿崩症を有する79歳の女性が,霧視を訴えて来診した。矯正視力は術後0.6から0.2へ低下し,右眼圧は0mmHgであった。眼底に脈絡膜皺襞と黄斑浮腫がみられ低眼圧黄斑症と診断した。バゾプレシン投与を開始して尿量が正常化し,血液および尿浸透圧が改善するにつれ,眼圧は回復し視力も上昇した。尿崩症という多量の尿排泄がいわば高浸透圧利尿薬のように作用し,白内障手術眼に低眼圧黄斑症をきたしたと考えられた。内眼手術後の晩期合併症として生じる低眼圧の原因として稀ではあるが尿崩症も鑑別し,患者の尿量にも注意を要する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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