icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻5号

1998年05月発行

文献概要

特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

MRSAによる涙嚢炎の2症例

著者: 北村紀子1 青木功喜2 大嶋彰3 石古博昭3 内尾英一4 大野重昭4

所属機関: 1横浜市立港湾病院眼科 2青木眼科 3三菱化学ビーシーエル 4横浜市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.761 - P.764

文献購入ページに移動
(17-G409-12) 薬剤感受性は異なるが,いずれも多剤耐性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による涙嚢炎の2症例を経験した。症例は63歳の男性と82歳の女性であった。1例はバンコマイシンの全身投与で,もう1例は涙嚢摘出で治癒した。両例とも鼻腔内からもMRSAが検出され,ムピロシン軟膏の鼻腔内塗布が有効であった。涙嚢炎の治癒後,再発がなく,結膜の培養ではMRSA陰性であるのに,鼻腔内の培養ではMRSAが検出され再保菌されていることがわかった。涙嚢炎を繰り返す患者では,結膜だけでなく鼻腔内細菌の定期的な検査が必要であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?