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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻5号

1998年05月発行

文献概要

特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

ボツリヌス毒素治療を行った眼瞼痙攣患者の精神的要因の検討

著者: 鈴木美佳1 山崎広子1 溝田淳2 黄鴻鈞2 塚本和秀2 安達恵美子2

所属機関: 1国立精神神経センター国府台病院眼科 2千葉大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.769 - P.772

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(17-P3-11) 本態性眼瞼痙攣に対するボツリヌス毒素治療の効果を検討し,その精神的背景を検討する目的で心理テストを行った。千葉県血清研究所製A型ボツリヌス毒素を1か所0.5単位,1.25単位,2.5単位,5単位から選び,両眼で10か所に注射した。閉瞼筋力およびJankovicスコアを測定し評価した。心理テストはSDS自己評価式抑うつ尺度およびCMI健康調査表を施行した。閉瞼筋力は1.25単位以上で有意な改善が認められ,Jankovicスコアは用量依存性に改善が認められた。治療前のSDS得点は正常群と有意差は認められず,治療前後で有意な変動はなかった。23例中6例に抑うつ傾向が認められ,4例に神経症傾向を認めた。本疾患患者の過半数は正常な精神的背景を持つことが示唆される一方,神経症,抑うつ傾向など異常傾向を示す症例が存在することが認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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