文献詳細
特集 第51回日本臨床眼科学会講演集(3)
学会原著
文献概要
(18-P1-4) 52歳男子が2年前からの夜盲で受診した。過去12年前から腹部腫瘍と肝嚢結石のために複数回の腹部手術を受けていた。眼底には両眼とも点状の黄白色斑がび漫性に分布していた。ERGで,杆体系の著明な減弱と錐体系の中等度の減弱があった。血中のビタミンA値は30ng/dl未満と著しく低下し,これが夜盲の原因であると推定された。ビタミンAの投与により,5週後にはその血中値が233ng/dlに上昇し,夜盲も消失した。本症例は,腹部手術の既往があるとき,ビタミンA欠乏による夜盲が生じうることを示している。
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