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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻5号

1998年05月発行

文献概要

臨床報告

全層角膜移植後のシクロスポリン点眼の有用性

著者: 松本幸裕134 大山光子23 佐竹良之3 島﨑潤3 坪田一男34

所属機関: 1佐野厚生総合病院眼科 2杏林大学医学部眼科学教室 3東京歯科大学眼科学教室 4慶應義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.957 - P.962

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 全層角膜移植を受けた111眼について,0.05%シクロスポリン点眼と0.1%ペタメタゾン点眼の効果を比較検討した。40眼には早期からシクロスポリン点眼のみを行い,他の71眼にはベタメタゾン点眼のみを行った。移植片の拒絶反応は,前者で17.5%,後者で9.9%に生じた。術後緑内障は,前者で15.0%,後者で19.7%に生じたが,有意差はなかった。111眼全体について,拒絶反応発生率は12.6%,角膜透明治癒率は93.7%,術後緑内障の発生率は18.0%であった。以上の結果から,シクロスポリン点眼がベタメタゾン点眼よりも優れているとはいえないことが結論された。両者の組み合わせで,成績を向上させる可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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