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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻5号

1998年05月発行

文献概要

臨床報告

緑内障と後部円錐角膜を合併した強角膜症の1症例

著者: 勝島晴美1 鎌田昌俊1 勝田聡1 布田龍佑2

所属機関: 1札幌医科大学医学部眼科学教室 2九州NTT病院眼科

ページ範囲:P.963 - P.967

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 左眼に強角膜症,後部円錐角膜,緑内障を合併した59歳の女性を報告した。右眼は血管新生緑内障のために54歳時に近医で眼球摘出術を受け,このとき初めて左眼の高眼圧を指摘された。左眼の周辺部強角膜症,および実質混濁を伴う後部円錐角膜は下鼻側に限局していた。他の部位の角膜にも軽微な実質混濁があり,スペキュラーマイクロスコピーで内皮細胞は多形性を示し,細胞の境界は不鮮明で,dark areaが観察された。開放隅角であるが,隅角底に毛様体帯は見えなかった。強角膜部には遺残色素が付着していた。線維柱帯切除片の組織学的検査では,シュレム管は大きな管腔を形成しており,線維柱帯の層構造は保たれていた。内皮網には細網線維無定型物質,gitter collagenなどが充満していた。本症例の左眼は,軽度の隅角形成不全があり,加齢変化が加わつて眼圧上昇をきたしたとするのが妥当と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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