icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻5号

1998年05月発行

文献概要

臨床報告

限局性網脈絡膜萎縮が生じた多発性脈絡膜炎と全ぶどう膜炎の1例

著者: 原田敬志1 杉野太郎1 小嶋義久1 新井晶勇己1 馬嶋慶直1

所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.969 - P.974

文献購入ページに移動
 ぶどう膜炎として半年前から治療されていた69歳の女性が受診した。矯正視力は両眼とも0.5であった。前房の混濁と細胞が両眼にあり,右眼には網膜血管に沿う滲出斑が散発していた。左眼には同様の滲出斑が耳側周辺のみにあった。螢光眼底造影で網膜血管の透過性亢進と乳頭の螢光染があった。諸検査の結果サルコイドーシスは否定され,原因不明の全ぶどう膜炎と診断した。4年後の受診時の視力は,右0.04,左0.7であつた。右眼には強い硝子体混濁があった。両眼の眼底周辺部に打ち抜き萎縮斑と新鮮な滲出斑が散在していた。以上の所見から,発症から数年を経ても新鮮および陳旧化した限局性病巣が併発することを特徴とする多発性脈絡膜炎と全ぶどう膜炎multifocal choroiditis and pan-uveitisと診断した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら