icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科52巻6号

1998年06月発行

文献概要

臨床報告

黄斑部硝子体手術の合併症

著者: 後藤真里1 舘野静香1 輪島良平1 白尾裕1

所属機関: 1金沢大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1190 - P.1194

文献購入ページに移動
 過去20か月間に行った黄斑疾患に対する硝子体手術92眼の合併症を検索した。特発性黄斑円孔65眼での合併症は,術中の周辺部網膜裂孔1脹,術後の裂孔原性網膜剥離3眼,術後の脈絡膜出血と硝子体出血各1眼,黄斑円孔の再発1眼,周辺視野欠損3眼であった。嚢胞様黄斑浮腫5眼では,術後に裂孔原性網膜剥離が2眼に生じた。黄斑下血腫7眼では,網膜色素上皮欠損が3眼,裂孔原性網膜剥離と網膜静脈分枝閉塞症が各1眼に生じた。黄斑前膜13眼と外傷性黄斑円孔2眼では硝子体手術による合併症はなかった。黄斑疾患に対する硝子体手術では,医原性網膜裂孔を作らないような配慮が必要であり,術前と術中に硝子体基底部を十分に検索することが望まれる。黄斑円孔への手術後の視野欠損は,術中に後部硝子体剥離を作成することとは無関係であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら